帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛
当院では帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛の治療を行っています。 帯状疱疹に対する治療において最も重要なことは、帯状疱疹後神経痛にならないようにすることです。 当院では、発症早期から積極的に痛みを緩和させるための治療を行っています。

帯状疱疹とは
帯状疱疹は、皮膚に痛みやかゆみを伴う発疹が出る病気です。 胸やお腹に帯状に“ブツブツ”が出ます。 帯のように湿疹が出ることから、帯状疱疹(タイジョウホウシン)と呼ばれています。 皮膚に症状が出るため“皮膚の病気”と思われがちですが、実は“神経の病気”です。

帯状疱疹の原因
水ぼうそう(水痘)にかかった事がありますか?ほとんどの方が2~8歳の頃に水ぼうそうにかかっていると思います。 ウイルスは、水ぼうそうが治った後も身体の中にずっと残っていて、やっかいなことに脊髄神経に入り込んで暮らしています。このウイルスが、身体の抵抗力・免疫力が落ちてくると、再び暴れ始めます。これが帯状疱疹です。 ですので、このウイルスの名前を「水痘・帯状疱疹ウイルス」といいます。
帯状疱疹の特徴
最大の特徴は、“痛み”です。 多くの湿疹・蕁麻疹は、“かゆみ”はありますが“痛み”はありません。 “痛みのある湿疹”が出てきたら、帯状疱疹を疑います。 また、数日前から、軽い痛みや違和感があることもあります。「2~3日前から痛いような変な感じがして、なんかブツブツが出てきた」というような場合は、すぐに医師の診察を受けてください。 症状が出る場所は、胸やお腹が一番多く、顔面、首、腕、足に出ることもあります。片側にしか発疹が出ないことも、帯状疱疹の特徴です。
帯状疱疹の治療
抗ウイルス薬を使います。内服薬と点滴があります。 当院では“バルトレックス”を処方しています。 やや大きな錠剤ですが、1回2錠を1日3回、7日間内服します。 できるだけお薬の効果を一定にするために、8時間おきの内服をおすすめしています。 また、症状により痛み止めの薬などを一緒に飲んでいただきます。
帯状疱疹の痛みに対する治療
神経ブロック注射を行います。 当院では、痛みをできるだけ早く改善させることを目標に、神経ブロック注射を行っています。 痛みで寝られない場合など、強い痛みには大変有効な方法です。 硬膜外ブロック、星状神経節ブロック、神経根ブロックなどが適応になります。 他の医療機関で内服薬等を処方されている場合でも、神経ブロック注射は可能ですので、ご相談ください。(その際には内服薬の内容が分かるものをご持参ください。)
帯状疱疹の治療期間
症状の経過は千差万別です。 2ヶ月前後で治療終了となる場合もありますし、数年の経過となることもあります。 早い方では、1~2週後には痛みが改善します。 しかし、神経に傷が残っている状態ですので、2~3ヶ月程度は経過を見させていただいています。この間、患部を冷やさないようにすることが大切です。 特に、冷房や扇風機の風が直接当たらないように注意しましょう。 一方で、痛みが残ってしまう方がいらっしゃいます。 痛みが続いている方は、次の“帯状疱疹後神経痛の治療”に変更していきます。 一般的に、20~30歳代の若い方では早く症状が改善し、痛みが残ることも少ないようです。 一方で、60歳以上の方では症状の改善も遅く、痛みが残ってしまうことが多くなります。
帯状疱疹後神経痛とは
帯状疱疹ウイルスによって神経が傷つき、痛みが続く状態です。“帯状疱疹といわれてお薬を飲んだけど、皮膚はキレイになってきたのに痛みは変わらない”、“服が擦れたり、ちょっと触っただけでも、ビリっと電気が走るように痛い”といった症状が帯状疱疹後神経痛の状態です。 かゆみ、しめつけ感、こったような・筋肉痛のような感じがあるとおっしゃる方もいます。
帯状疱疹後神経痛の治療
通常の痛み止めは、あまり効果がありません。 麻薬に準ずる薬や、慢性の痛みに効果が認められている薬を使用します。 また、抗うつ薬や抗てんかん薬を使用することもあります。 神経ブロック注射を行うこともあります。 硬膜外ブロック、神経根ブロック、星状神経節ブロック等が適応となります。 数年を経過した帯状疱疹後神経痛は極めて治療が難しく、当初は症状の2~3割軽減を目標として治療を行います。
補足
- 帯状疱疹が同時に2ヶ所以上、あるいは両側に出ることもあります。
- 持病などにより抗ウイルス薬やその他の薬・点滴が使用できない場合があります。
- 内服薬などにより神経ブロック注射ができない場合があります。